学校給食費の無償化に取り組む自治体が増える中、必要な財源を確保できず、新年度から家庭に負担を求める市がある。継続する自治体との間で格差が生じることから、首長らから国の全額負担を望む声が上がっている。
子育て支援アピールし再選、無償化検討指示したが
「本当にもどかしい。でも仕方がないんです」
山梨県大月市の小林信保市長は嘆く。昨年6月から小中学校の給食を無償で提供してきたが、新年度は対象を中学3年のみに絞ることになったからだ。
昨年7月の市長選で子育て支援に力を入れるとアピール。再選を決めると、無償化を継続できないか、庁内に検討を指示した。
だが、財源の大部分は「国頼み」。物価高騰対策の国の交付金を充てたが、その財源も底を突いた。ほかの教育事業を見直して捻出するのも難しかったといい、無償化に必要な6188万円を確保できなかった。新年度予算に計上した給食費の公費負担分は1317万円にとどまり、中学3年と生活困窮世帯の無償化などで精いっぱいだったという。
小学生がいる家庭からは1人…