絶滅の恐れのある野生生物にとって、オンラインなどでの売買は脅威にもなる。では売買を禁止すればよいのかというと、そう単純ではなさそうだ。規制が対象種以外の生きものの取引を増やす恐れがあることを、国立環境研究所などのチームが明らかにした。
チームは日本にすむ水生昆虫のタガメ、両生類のトウキョウサンショウウオ、淡水魚のカワバタモロコの3種を対象に、2011~22年の11年間の「Yahoo!オークション(ヤフオク)」での販売データを調べた。3種はいずれも20年2月に種の保存法で販売が禁止された。規制前後で比べると、活発だった取引はほとんど見られなくなった。
規制のいたちごっこになる可能性も
ただ、規制から1年後の時点で、売買可能な「代わりの種」の取引が増加していた。「代わりの種」は、対象とは別種だが、同じ名前で販売されるものや、対象と同時にインターネット上で検索されることが多い種などとした。3種とは別の水生昆虫やサンショウウオ、淡水魚などだ。規制前の取引が他の2種に比べて多かったタガメでは、「代わりの種」への影響が、2年後も続いていた。
タガメの「代わりの種」にな…