地蔵菩薩座像と礼盤が展示されている店内=2025年4月25日午後1時23分、奈良市西木辻町、向井光真撮影

 奈良市西木辻町の「カフェ&ギャラリー メカブ」で、真宗仏光寺派の善行寺(奈良県桜井市山田)の地蔵菩薩像が5月31日まで特別展示されている。カフェでスポットライトを浴びて鎮座する地蔵菩薩像。一般的に、浄土真宗の寺院で地蔵菩薩像をまつることはないのに、一体どうして? それは神仏分離による不思議な縁があったことに由来する。

 展示されているのは、木造の地蔵菩薩座像(像高約38センチ)と、導師が修法や勤行の際に座る台盤「礼盤」(約60センチ四方、高さ約18センチ)の2点。

 地蔵菩薩像は室町時代に作られたとみられ、左手に宝珠を、右手に錫杖(しゃくじょう)を持っている優美な姿。普段は、寺の本堂内陣の隅にひっそりと安置されており、毎年7月24日、地蔵菩薩像をまつる法要を執り行っているという。

 ただ、この地蔵菩薩像と礼盤はもともと同寺にあったものではない。

明治新政府が神仏分離令

 武田博彰住職(73)による…

共有
Exit mobile version