遺跡公園といえば、そこが実際に使われていた当時の様子を再現した場所を想像する。だが、最近は少し違った形の公園が登場している。
阪急の高槻市駅から徒歩十数分。夏の盛りに訪れた大阪府高槻市の安満(あま)遺跡公園は、子ども連れでにぎわっていた。目当ては入ってすぐのサンスター広場にある特設の水遊び施設だ。市歴史にぎわい推進課主幹の藤井敏温(としはる)(49)は「暑い中でも利用者に来てもらう策です」と説明する。
安満遺跡は、弥生時代前期~後期の集落や墓などが見つかり、1993年に国史跡となった。公園として全面開園したのは2021年。園内施設にネーミングライツを導入し、遊具メーカー・ボーネルンドの名を冠した子どもの遊び場やスターバックスなどの店舗もある。
中央には京都大学大学院付属農場だった時代の建物がレストランや展示室として残るが、弥生時代の環濠(かんごう)集落をうかがわせる屋外展示は、白石が敷かれた濠(ほり)と、その外側を巡る人工芝で覆われた堤だけ。見渡す限り、芝生が広がる。「あくまで位置づけは総合公園。七つほどの市民グループが、ペットや防災・歴史などをテーマに活動しています」と主査の上田一暁(かずあき)(40)。多様な使い方ができる点などが受け、年に150万人以上が利用するという。
福岡市西区に17年にオープ…