Smiley face

 私学補助金の増額を求めて岐阜県私立高校保護者連合会などが2022年と23年に県議会に提出した各年約38万人分の請願署名簿に、同一人物の代筆などが疑われる署名が多数含まれていたことが、昨年度の県包括外部監査で明らかになった。監査報告書は「署名の有効性に疑問が持たれる状況だ」と指摘。署名簿を確認しなかった県側の対応の是正を求めた。

  • 昭和から変わらない?岐阜県の団体補助金 「見直しを」監査人ら指摘

 問題が指摘された署名簿は、連合会と県私立中学高校協会が私学補助金の増額を求める請願に合わせて県議会に提出した。請願では公立と私立の高校間の格差是正のため、国の支援制度に上乗せして実施している県単独の授業料軽減制度の拡充などを求めた。請願は県議会で全会一致で採択された。

 請願に関する県議会の規定に署名簿についての定めはない。代筆も否定されていない。しかし、署名は請願の重要な根拠資料となることから、報告書は署名が適法に集められているかを県として確認すべきだと指摘した。

 報告書によると、22年9月に提出された署名簿は「代筆による署名が数多く確認され、同一の氏名・住所の記載で、複数人分が4~7回繰り返されている事例が確認された」という。

 23年9月提出の署名簿についても「同一人物の筆跡で100人ほどの代書と思われる状況が確認された」とした。

「確認を行えば問題性に気づけた可能性」指摘

 署名簿を出した連合会の渡辺玲会長は朝日新聞の取材に対し、「指摘を受け止め、次回以降は注意をして署名活動を行うよう、各学校側にお願いする」と話した。

 監査人ら3人は、3時間ほど…

共有