Smiley face
写真・図版
絵本「くものうえのハリー ぼくとおかあさんのたからもの」が並ぶ書店のコーナー=パイ インターナショナル提供
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 9年前に刊行された絵本「くものうえのハリー ぼくとおかあさんのたからもの」が、SNSなどで話題を呼び、ロングセラーとなっている。羊の親子が主人公のミュージックビデオ(MV)を絵本化したもので、死を描いた切なく悲しい物語ながらも、共感の輪が広がっている。

 絵本の帯には「何気ない日常が、宝物だと気づかせてくれる」とある。子羊ハリーを亡くし、悲しみにくれるお母さん羊。雲の上から見ていたハリーは、もう一度お母さんに会いたいと、勇気を出して雲の上から下りていく。ハリーの気配を感じたお母さん羊が、大切なものに気がついていくというストーリーだ。2015年12月の刊行以来、じわじわと売れ、発行部数は国内外で7刷8万6千部。絵本では異例のヒットだ。

「悲しい絵本、売れるのか」分かれた賛否

 出版した「パイ インターナショナル」(東京都豊島区)の高橋かおる編集長は、「冒頭から子羊が亡くなって母羊が寝込んでいる。悲しい絵本が果たして売れるのか、社内でも賛否が分かれた」。予想外の反響に驚いているという。

 絵本は、「ソニー・ミュージックレーベルズ」(千代田区)から同年5月にリリースされた3人組の男女ユニット「RAM(ラム) WIRE(ワイヤー)」=活動休止中=の楽曲「僕らの手には何もないけど、」のMV(<a href=”example.html”>https://www.youtube.com/watch?v=TXpGWhdwXuo別ウインドウで開きます</a>)を書籍化したものだ。MVは現在、900万回以上視聴されている。

 楽曲を発表する際、同社の日…

共有