「さがみはら学生祭」で出店した女子美術大「がちゃがちゃ研究部」のブース=2025年4月15日午後2時19分、相模原市中央区の淵野辺公園、三木一哉撮影

 【神奈川】プラスチックの玉の中に入ったアニメキャラクターや動物などのさまざまなミニチュア。カプセルトイは老若問わず人気だが、女子美術大学には大学公認のクラブ活動「がちゃがちゃ研究部」(通称がちゃ研)がある。

 部長の平陽花さん(21)によると2023年立体アート専攻の学生ら約10人で発足。大学祭に参加し、インスタグラムで「作品」を発表する。24年度にクラブに昇格し、現在は約20人が活動する。

 平さんは先輩のインスタグラムの投稿を見て入部。食品やメイク道具のミニチュアなどのジャンルが好きだという。夏に東京・原宿で開かれる女子美大生の活動や作品を紹介、発表するイベント「女子力展」と10月に開かれる大学祭「女子美祭」などにこれまで参加してきた。イベントに合わせて部員が何を作るか議論する。取材時には6月の「ZINEフェス東京」に向け、新入部員も交えてハート形の羊毛フェルト人形「ハートちゃん」を制作中だった。発案は平さん。「同じものを作る必要がなく、形や大きさがバラバラでOK。心がテーマなので、私たち一人一人の思いを込めて作ることができる」

 50個ほどの「ハートちゃん」は色も形もさまざまだ。副部長の筒井萌々香さん(19)の作品は、リーゼントヘアのハートちゃん。「かっこいいけど心が優しいキャラクターです」

 服装や持ち物で女子美の学生を描き分けたキーホルダー「美大生の○○さん」、海の生き物をスイーツに見立てた「海の喫茶店」といったテーマで制作してきた。

 学食メニューをミニチュアにした「女子美ランチガチャ」は学食前で学生にアンケートし何を作るか決めた。米粒やスープ、お皿などを樹脂や溶剤、アクリル絵の具などで細かく再現した。

 題材ごとに宣伝(ポップ)も作る。カプセルが出てくる機械も自作だ。故障などに備え設計図も引き継いでいるという。

 「アートの作品とは違うけれど、違う学科の仲間とアイデアを交わし、一緒に作業するのは刺激になる」「色や形を探るという作業はアートと変わらない。自分の専攻にも役立つかも」「イベントで子供たちに渡す瞬間、反応を見るのがすごく楽しい」などとメンバーは語る。

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