愛媛県西条市立河北中学校3年の和田りおんさん(14)が、第39回「WE LOVE トンボ」絵画コンクール(朝日新聞社、朝日学生新聞社主催、トンボ協賛)の中学生の部で大賞の文部科学大臣賞を受賞した。河北中の美術部員はほかに1人が銅賞、2人が入選になり、全国で2校しか選ばれなかった学校賞の文部科学大臣賞(大賞)にも選ばれた。
今年は同コンクールの8部門に小中高生から計14万2246点の応募があった。各部門で文部科学大臣賞と環境大臣賞(いずれも大賞)が1作品ずつ選ばれた。
和田さんの作品タイトルは「夏の終わり」。
教室で学ぶ生徒を赤トンボ3匹が見下ろすような俯瞰(ふかん)の構図で、四つ切り(縦54センチ、横38センチ)の画用紙にポスターカラーで描いた。
今年7、8月の2カ月間をかけた力作。審査員から「トンボの羽のやわらかさ、体のつくりをていねいに描写し、生徒たちの表情も個性豊かに描き分けている」と評価された。
和田さんは昨年の同コンクールで「港」と題した絵で大賞に次ぐ金賞の朝日新聞社賞を受賞。今年は、非常勤講師として河北中で絵を指導する山本英夫さん(69)の助言を受けて構図を決め、トンボの羽の透明感や繊細な感じを表現しようと心がけた。山本さんは和田さんについて「よい意味でこだわりを持って、こつこつと丁寧で画力がある」と評する。
美術部では部員25人をまとめる部長だ。普段はK―POP好きで、5人組男性グループ「TOMORROW(トゥモロー) X(バイ) TOGETHER(トゥギャザー)」のファン。好きが高じてハングルの読み書きや会話ができるようになり、英検も準2級をとった。将来は、語学を生かして海外とつながる仕事ができればと漠然と思っている。
今回の大賞受賞について和田さんは「夏休み明けの9月初めの朝をイメージして丁寧に仕上げました。2年続けて大きな賞をいただけたのは奇跡だと思っています」と話している。