2015年5月9日、モスクワの赤の広場で戦勝記念軍事パレードに臨むプーチン大統領(右)と中国の習近平国家主席=ロシア大統領府提供

 中国外務省は4日、習近平(シーチンピン)国家主席がモスクワで9日に開かれる対ドイツ戦勝80周年記念行事に出席するため、ロシアを7~10日に公式訪問すると発表した。ウクライナ侵攻の終結に向けて米ロが対話を進める中、中ロの連携を確認する狙いがある。

 5月9日はロシアの戦勝記念日で、赤の広場で軍事パレードが予定されている。習氏は10年前にも出席した。ロシア訪問はカザンでのBRICS首脳会議に出席した昨年10月に続くもので、2022年の侵攻開始後は3回目となる。

 中国はウクライナ侵攻をめぐって和平提案を進める立場を強調し、終結に向けた交渉への関与にも意欲を示す。ただ、米欧の制裁に直面したロシアからの資源輸入を増やすなどして経済的に支え、軍事転用にも可能な製品をロシア向けに輸出しているとの批判も受ける。

 一方で、プーチン政権はトランプ米政権と侵攻終結をめぐって接触を重ねており、中国は米ロの急接近に警戒感を抱く。特に、関税で米国との対立が先鋭化する中、対米姿勢をめぐってロシアとどこまで足並みをそろえられるかが注目される。

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