日本語学校が入る団地(手前)=2025年2月14日、千葉県八千代市、鈴木逸弘撮影

 住民の高齢化が進む、空き部屋に悩む団地をリニューアルし、日本語学校と寮にする。そんなユニークな取り組みが千葉県八千代市の村上団地で始まった。都市再生機構(UR)によると、全国初の取り組み。住民と学生との間では新たな交流の芽が生まれつつある。

 今年2月14日。団地の一角で、日本語学校の生徒が自国の料理を振る舞う交流会が催された。

 「日本に来て1年です。コンビニでバイトしながら勉強してます!」

 スリランカ人留学生のネリニ・シルバさん(23)が、団地に住む弓納持(ゆみなもち)和子さん(72)とおしゃべりを楽しんでいた。

 弓納持さんは「最初はどんな人たちが来たか心配だったけど、勉強にバイトにと頑張っていて、すごいわね」と感心しきりだった。

 交流会には次々と団地に住む高齢者らが訪れ、生徒はたどたどしい日本語を駆使して会話に努めた。

日本語学校の生徒たちが出身国の料理を振る舞うイベントが開催され、団地の住民ら多くの日本人が訪れた=2025年2月14日、千葉県八千代市、鈴木逸弘撮影

完成から40年、入居者も高齢化

 村上団地は1970年代ごろから、当時の日本住宅公団が整備し、学校や公園なども備えた大規模団地だ。最盛期には分譲と賃貸住宅を合わせて計約4千戸に達したが、完成から40年以上が経過し、入居者の高齢化が進む。

 そんな団地に昨秋、各地に日本語学校を展開する学校法人理知の杜(本部・長野県)が日本語学校を開校した。

 URによると、入居者に別の棟に移転してもらって住民の集約を進め、50棟以上あった住宅棟のうち13棟を解体して更地に。教育や医療、福祉関連の事業を行うという条件付きで2棟の売却先を公募し、学校法人への売却が決まったという。

住民とのトラブルの懸念もあったが

 学校法人は高層階を生徒の寮…

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