住民の高齢化が進む、空き部屋に悩む団地をリニューアルし、日本語学校と寮にする。そんなユニークな取り組みが千葉県八千代市の村上団地で始まった。都市再生機構(UR)によると、全国初の取り組み。住民と学生との間では新たな交流の芽が生まれつつある。
今年2月14日。団地の一角で、日本語学校の生徒が自国の料理を振る舞う交流会が催された。
「日本に来て1年です。コンビニでバイトしながら勉強してます!」
スリランカ人留学生のネリニ・シルバさん(23)が、団地に住む弓納持(ゆみなもち)和子さん(72)とおしゃべりを楽しんでいた。
弓納持さんは「最初はどんな人たちが来たか心配だったけど、勉強にバイトにと頑張っていて、すごいわね」と感心しきりだった。
交流会には次々と団地に住む高齢者らが訪れ、生徒はたどたどしい日本語を駆使して会話に努めた。
完成から40年、入居者も高齢化
村上団地は1970年代ごろから、当時の日本住宅公団が整備し、学校や公園なども備えた大規模団地だ。最盛期には分譲と賃貸住宅を合わせて計約4千戸に達したが、完成から40年以上が経過し、入居者の高齢化が進む。
そんな団地に昨秋、各地に日本語学校を展開する学校法人理知の杜(本部・長野県)が日本語学校を開校した。
URによると、入居者に別の棟に移転してもらって住民の集約を進め、50棟以上あった住宅棟のうち13棟を解体して更地に。教育や医療、福祉関連の事業を行うという条件付きで2棟の売却先を公募し、学校法人への売却が決まったという。
住民とのトラブルの懸念もあったが
学校法人は高層階を生徒の寮…