多摩ニュータウンで入居が始まってから半世紀あまり。少子高齢化とともに、建物の老朽化も進んだ街は、日本社会の縮図ともいわれる。長く住む高齢者も、新たに来た若い世代も暮らしやすいまちづくりを、どのように進めればいいのか。東京都は4月、再生に向けた新たな方針を打ち出したが、課題は山積している。
22日に投開票される東京都議選(定数127)を前に、東京が抱えるさまざまな課題の現場を取材します。
京王線と小田急線が通る永山駅(多摩市)から歩いて約15分。団地や真新しいマンション群を抜けると、レトロな商店街にたどり着く。
1971年、多摩ニュータウンで初めて入居が始まった「諏訪・永山地区」の諏訪名店街。ふだんは人通りもまばらだが、「すわ新緑まつり」が開かれた5月24日は子どもたちの笑い声が響き、バンド演奏や屋台でにぎわっていた。
その一角で、和菓子店「青木屋」は、月末の閉店に向けた準備にも追われていた。
「昔は陸の孤島とも言われた…