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修繕した橋を確認する鹿倉さん(左から2人目)らものつくり大学の関係者=2024年11月29日午後1時46分、埼玉県草加市中根、伊藤悟撮影
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 ものつくり大学(本部・埼玉県行田市)の学生らが、草加市内の用水路にかかる築30年の木造の橋を再生した。

 老朽化した橋の修繕費などに悩む市と、実物を通して修繕を学ぶ機会を学生に与えたい大学が今年5月、市内4カ所の木橋を対象に「木橋リノベーション事業に関する基本協定」を締結。大学が主導して修繕に取り組むことになった。

 最初の修繕には、建設学科の大垣賀津雄教授と芝沼健太講師の両ゼミ生約20人が参加した。同市中根の谷古田用水にかかる幅3メートル、長さ約3メートルの歩行者用の木橋を7月末に大学に運び、解体して腐食など劣化の状況を確認。なるべく元の木材を生かしたままで、繊維強化プラスチック(FRP)やアラミド繊維などを使い、約4カ月かけて修繕した。

 劣化を遅らせて長く使えるよう、腐食の原因になりやすい釘は使わず樹脂で代用した。「笠木」と呼ばれる手すり部分は取り換え、学生が1本の木をアーチ状になるように加工したうえで、炭素繊維シートを張って防水性を高めたという。

 11月29日には、近くの住民らを招いて開通式が開かれ、橋の再生を祝った。市によると、これまでこの橋に特に名は無く、便宜上「無名橋88」とされていたが、再生後の橋を見た住民から「名前をつけたい」との申し出があり、新たに「中根ふれあい橋」と名づけられた。

 70代の女性は「しばらく利用できず、あらためて橋のありがたさがわかった。きれいに生まれ変わった橋を大切に使いたい」。学生のリーダー役を務めた4年の鹿倉蓮さん(22)は「実物の修繕は貴重な経験になった。地域の人に長く愛される橋になってほしい」と話した。

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