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指導員(右)からペットボトルを使って浮きやすくする方法を学ぶ志津小学校の児童たち(写真の一部を加工しています)
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 小中学校の夏の定番だったプール授業が変わりつつあります。施設の老朽化や熱中症のリスクが高まっていることで、取りやめるケースが増えました。一方で、溺れて亡くなる事故から身を守るすべは学ばせなければいけないと、学校現場は知恵を絞っています。

 「身の回りのもので、水に浮くのを助けてくれるものは何かな?」

 「ペットボトル!」

 問いかけに元気よく答えた児童たちに向かって、指導員はうなずきながら話を続けた。「ランドセルやクーラーボックスも使えるよ」

 7月上旬、千葉県佐倉市のスポーツクラブ「ルネサンス・ユーカリが丘24」で近くの志津小学校の5、6年生約110人が着衣水泳を体験していた。

 泳ぐ力に応じて5班に分かれ、指導員から浮きやすくなる目線の位置や体の力の抜き方を学んだ。

 6年の篠塚洸さんは「水着一枚と感覚が違う。服が水を吸って、思っていたよりも沈みやすかった」。2コマ分を1回とする授業は全4回で、この日は最終日。児童たちは準備されたバスに乗り、約5分で着く学校に帰っていった。

 志津小だけでなく、佐倉市ではプールの老朽化や熱中症予防を理由に市立小学校23校のうち、10校が水泳の実技授業を民間に委託する。

 全国に展開するルネサンスでは、2020年度から水泳授業の請負を本格化させたという。施設を使うのは一般会員の利用がない休館日。屋内プールだから冬でも授業はできる。2、3カ月ごとに1校のペースで指導する。この日のように施設の貸し出しと指導を一体化したプランや、学校に指導員を派遣するプランなどがある。23年度は全国で50校だったが、今年度は「ほぼ倍増。想像以上の増え方」(担当者)という。

 笹川スポーツ財団が7月に公…

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