青森北―聖和学園 四回、3点本塁打を放つ聖和学園の高橋歩=2025年6月10日午前9時58分、米沢市営、岸めぐみ撮影

 第72回春季東北地区高校野球大会が10日、山形県の米沢市営野球場などであった。仙台育英(宮城1位)は明桜(秋田2位)に4―3で、聖和学園(宮城2位)は青森北(青森3位)に3―2で、いずれも逆転勝ちし、8強入りした。仙台育英は青森山田(青森1位)と、聖和学園は能代松陽(秋田1位)と、それぞれ11日に対戦する。

 「やっときた」。失策や相手の連続安打で2点を先取され、迎えた四回裏、1死二、三塁。春の県大会では好機で打席が回らず、ようやく迎えた好機の打席だった。6球目の内角の直球に反応し、バットを振り抜いた。

 聖和学園の高橋歩汰主将(3年)が放った打球は左翼席で弾み、3点本塁打に。値千金の一打は、高校の公式戦初本塁打となった。

 2年生の時から代打として勝負どころで打席に立つも、なかなか打てなかった。「苦しかったけれど、ずっと練習してきたかいがあった」。この日は投手として先発し、序盤は粘り強い青森北打線に苦戦するも「自分でかえせて良かった」とホッとした表情を見せた。

 聖和学園にとっても、東北大会初勝利だった。「東北大会1勝が目標だった。次の試合も一戦必勝で、束になって戦いたい」と意気込んだ。

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 1点ビハインドで迎えた五回表、1死二、三塁。仙台育英のエース吉川陽大投手(3年)がマウンドに立った。「仙台から応援に来てくれた仲間を1回戦で帰らせたくない」と後続を断ち、明桜に追加点を与えなかった。

 春の関西遠征で、大阪桐蔭や京都国際など関西の強豪と戦った。「修正しても、全部打たれて止められない」ほど打ち崩された。秋までは速球で押すタイプだったが「まっすぐだけでは通用しない」と痛感し、カーブとチェンジアップで緩急をつける投球を身につけた。この日もカーブを効果的に使い、明桜打線に8奪三振無失点の好投。チームを勝利に導いた。

 「チーム一丸となることが勝利の近道。(ベンチ入りの)4人のピッチャーをケアしつつ、自分もベストパフォーマンスを出せるようにやっていきたい」。次戦に向け、そう意気込む。

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