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東京海上日動火災保険の採用面接に臨む学生(手前)=同社提供
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 来春卒業する大学生や大学院生を対象とした企業の採用選考が進んでいる。6月から政府主導の「就活ルール」上で採用選考が解禁されたが、企業の採用意欲は高く、学生優位の「売り手市場」が続く。学生を引きつけようと、入社直後の職種や勤務地を「確約」する企業が相次いでいる。

 1日から採用面接を始めた東京海上日動火災保険は、2025年卒業の学生向けにコース別採用を導入した。入社後に経営企画や商品開発などに進むコースや、企業営業などに進むコースなど、配属先によって四つに分けて募集した。

 採用担当者は「今の学生は、自身でキャリア形成をしていきたい思いが強くなっていると感じる。コース別採用で、それぞれの仕事についてもあらかじめ深く理解してもらい、学生の志向や適性に合った採用を実現していきたい」という。

 AI(人工知能)、営業、プロダクトデザイン……。パナソニックホールディングス(HD)は25年入社の新卒採用で、約150の選考コースを用意した。関心のある事業会社や職種を選んでもらい、入社後の配属先を「確約」する。

 こうした採用を始めたのは、23年入社の社員から。入社後の配属先を約束することで「自律したキャリア形成を促すこと、各事業で必要とされる強みや個性をもつ人材を確保することが狙い」(採用担当者)という。

 学生からも前向きな反応があ…

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