バチカンで2025年2月16日、サンピエトロ広場で祈る修道女=ロイター

 ローマ教皇庁(バチカン)は19日、肺炎を発症したフランシスコ教皇(88)の容体について、血液検査の結果でわずかに改善の兆候が見られたことを明らかにした。同日にはイタリアのメローニ首相を病室に迎え、2人で冗談を言い合う時間もあったという。

 フランシスコ教皇は14日に気管支炎の治療のためにローマ市内の病院に入院後、18日に両肺に肺炎を発症していると診断された。自伝によると、教皇は20代の頃に病気の治療のため、右肺の一部を摘出している。そのため肺炎の発症が今回明らかになって以来、健康状態への懸念がいっそう強まった。

 バチカンが19日に発表した声明によると、教皇の容体は安定しており、血液検査で炎症反応に「若干の改善が見られた」という。朝食後には新聞を読み、側近と仕事もこなしたとしている。ANSA通信はバチカン関係者の話として、教皇は病室にいる間はイスに座っており、酸素供給を受けずに自分で呼吸ができていると伝えている。

 同日には、メローニ首相が教皇の病室を訪れた。バチカンによると、2人の面会は20分間に及んだ。イタリア首相府の声明によると、メローニ氏は政府と国民を代表して、教皇に早期の回復を祈る言葉を伝えた。

 メローニ氏は声明の中で教皇と冗談を言い合ったことを明らかにし、「教皇が元気で反応が良かったことをうれしく思う。教皇はユーモアのセンスを失っていない」と述べた。

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