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試合終了後、ベンチ方向に戻る苫小牧東の大塚慶祐主将(左)=2025年6月22日午後2時9分、とましんスタジアム、松本英仁撮影

(22日、第107回全国高校野球選手権南北海道大会室蘭地区1回戦 室蘭栄10―5苫小牧東 延長10回タイブレーク)

 5点を追う延長十回裏タイブレークの2死二、三塁。苫小牧東の大塚慶祐主将(3年)が代打で打席に立った。絶叫にも聞こえる声援を背にしながらも、冷静に選球しフルカウント。一振りにかけたが遊飛に倒れ、最後の打者となった。

 「初戦の難しさなんですかね」。大塚主将は熱気が覚めやらない球場で、敗戦の実感がわいていないようだった。

 苫小牧東と室蘭栄は、ともに胆振地方を代表する道立の進学校だ。「対戦が決まって、負けられないという思いがより強くなった」と臨んだ試合は、序盤に守備の乱れや四球でリズムを崩し5失点。しかし、二回途中からエースの岸田蒼生投手(2年)が好救援すると、犠打や死球をいかし小刻みに反撃。追いつく粘りをみせた。

 大塚主将は「お互いの足りない部分をカバーし合い、つながりを重視する絆のチーム。その通りのプレーはできた」。2時間36分の熱狂を演出した。

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