緩い斜面の崩落跡では植林による森林再生も図られている。円筒状のものはシカによる食害から苗木を守る樹脂製カバー=2025年9月2日午後3時38分、北海道厚真町幌内地区、松本英仁撮影

 2018年に北海道初の最大震度7を観測し、災害関連死を含む44人が死亡した北海道胆振東部地震は6日、発生から7年になる。中でも死者37人を含め甚大な被害を受けた厚真町では山腹ごと崩れ、山肌があらわになった急傾斜地の森林再生が課題の一つだ。専門業者による実証試験で、100年単位の自然による再生が数十年単位に短縮できる可能性が出てきた。

 全国で緑地再生に取り組む「ロンタイ」(本社・大阪府守口市)は23年5月、町と協定を結び、森林再生に向けて実証試験を始めた。地震では、厚真、安平、むかわの3町で約4300ヘクタールの森林に被害が出た。このうち4分の3にあたる約3200ヘクタールが町北部地域を中心に厚真町に集中した。町内の森林面積の約1割に当たるという。

 国や道が進めた大規模復旧工事は、応急措置にあたる緊急事業と安全性を高める恒久対策事業の2段階で進められ、総額240億円余りが投じられ、24年3月に終了した。

 「胆振東部地震森林再生実施…

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