サイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御(ACD)」を導入する法案が15日、参院内閣委員会で可決された。自民、公明、立憲民主、日本維新の会、国民民主が賛成し、共産党、れいわ新選組は反対した。16日の参院本会議で成立する見通し。
参院での審議では、通信情報がACD以外の犯罪捜査にも利用される恐れがあると野党側が追及。15日の内閣委に出席した石破茂首相は、「サイバーセキュリティー目的の範囲を超えた利用は許容されない」と答弁した。賛成した5党は、取得した情報を使用する際は犯罪捜査目的ではなく、サイバーセキュリティー対策に関する場合に限定することなどを政府に求める付帯決議を共同で提出し、採択した。
ACDは、平時から政府がネット空間を監視してサイバー攻撃の兆候を探り、攻撃元サーバーへの侵入・無害化を可能にする仕組み。法案が成立すれば、2027年中に本格的な運用が始まる見通し。
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