![](https://i0.wp.com/imgopt.asahi.com/ogp/AS20240705004506_comm.jpg?w=1200&resize=1200,0&ssl=1)
能登半島地震で被災した石川県能登町宇出津(うしつ)で5日、能登の夏の風物詩、キリコ祭りの先駆けとなる「あばれ祭」が始まった。
太鼓と笛の音が響き渡り、「イヤサカヤッサイ! サカヤッサイ!」の掛け声とともに巨大な灯籠(とうろう)「キリコ」が担ぎ出され、壊れた家屋の残る町を練り歩いた。
夜には、キリコが海に面した広場に集結。7メートルの大たいまつの火の粉を浴びながら乱舞した。
たいまつを奉納する「前厄」の青山正道さん(39)は「いま、この祭りの雰囲気の中では、みんな地震があったという感覚を持っていないと思う。当たり前が戻り、町に戻れる人が増えたらいい」と話した。
- 【詳報】「復興ののろし」はまだ先だけど 能登の夏に灯籠とたいまつが舞う
キリコ祭りは能登の6市町約200地区で7~10月に行われる。それぞれの地区ごとに特徴があるが、今年は地震でお宮が倒壊したりキリコが壊れたりして、すでに中止を決めた祭りもある。
あばれ祭でも、一部の町会はキリコを出すことや、担いで町内を練り歩くことを見送った。6日夜には、2基の神輿(みこし)を路面にたたきつけ、川に投げ込んだり火の中を通したりと、大暴れするクライマックスを迎える。(上田真由美)