能登半島は夏祭りの季節だ。巨大な灯籠(とうろう)のキリコや華麗な曳山(ひきやま)が練り歩く。2024年元日に起きた地震の復興途上で担い手確保が課題だが、ボランティアがうまく後押しする祭りもある。
石川県輪島市で17、18日にあった黒島天領祭(くろしまてんりょうさい)。北前船で栄えた江戸時代に始まり、天領太鼓の響きとともに、曳山2基とみこしが路地を巡った。
約280年の歴史があるみこしは地震で壊れたが、兵庫県姫路市の宮大工、福田喜次さん(73)が8カ月かけて無償で修復し、2年ぶりに戻ってきた。
慶応大3年の飛川優さん(22)は5人1組の獅子舞で、地震の爪痕が残る黒島地区を走り回った。太鼓を打ち、曳山の転回も手伝った。顔見知りの住民と笑顔で話し、「『助けてくれてありがとう』と言われ、うれしかった。夢のような時間だった」。
東京出身。震災のボランティアで訪れ、昨夏に見た天領祭の迫力に魅せられた。昨年10月に大学を休学し、寝泊まりする民宿の経理や予約などを担いながら、地区の困りごとに対応し、祭りの準備をしてきた。
黒島地区の人口は4月現在で…