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明治期につくられた禄剛埼灯台のフレネル式レンズ。能登半島地震で破損した=2024年5月12日午前4時40分、石川県珠洲市狼煙町、上田真由美撮影
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 昨年元日に起きた能登半島地震の被災地への教育旅行誘致を目指し、石川県と県観光連盟が震災学習プログラムのパンフレットを作成した。24日には被災市町や旅行会社、専門家などと続けてきた検討会で、復興につなげるための取り組みを確認した。

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 自然を生かした観光は、地震前から能登の主要産業だった。「教育旅行向け震災学習プログラム検討会」は昨年11月から、震災の記憶を風化させず、復興につなげるためにも、教訓を学ぶ旅行誘致の方策を話し合ってきた。今後、2027年の中学3年の修学旅行に向けて売り込んでいくという。

 パンフレットでは、「外浦海岸の隆起と禄剛埼(ろっこうさき)灯台(珠洲市)」、「里山里海のシンボル・白米千枚田を未来に繫(つな)ぐ(輪島市)」「震災遺構・白丸郵便局で学ぶ津波の脅威と災害への備え(能登町)」「最大震度7の志賀町で防災キャンプ」など6市町の26プランを紹介。自然の脅威、防災・減災、復興への取り組みといったテーマごとのモデルコースも示した。実際の旅行プランは、それぞれの学校の目的にあわせて個別につくっていくという。

 パンフレットは5千部作成し、来月から東京、大阪、名古屋の3大都市圏の学校や旅行会社に配布する。今後は施設ごとに何を学ぶのかといった詳細なストーリーづくりを進め、互いに模擬ガイドをし合って課題を見つけたり、教育関係者や旅行会社を対象にモニターツアーも行ったりする予定。

 県観光連盟の大西洋彰・コンテンツ造成事業部長は「被災地のみなさまの熱い思いを肌で感じながらつくってきた。風化させないことが重要だが、単に大変だったということではなく、今後起こりうる災害への備えに役立てるものにしながら、能登の復興につなげていきたい」と話した。中学生の修学旅行に限らず、高校の課外活動や大学・企業の研修、行政の視察などにもPRしていくという。

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