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コンテナのスタジオで「まちのラジオ」の放送が始まった=2025年7月7日午後0時12分、石川県輪島市町野町、上田真由美撮影
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 能登半島地震の被災地で初となる臨時災害放送局(災害FM)「まちのラジオ」が7日、石川県輪島市町野町で開局した。生活情報を発信するほか、地元を離れている人に復興状況を伝える狙いもある。

 初日は更地に設置したコンテナハウスのスタジオから、2時間の番組を生放送した。最初にかけた曲は、サザンオールスターズの「TSUNAMI」。開局に向けて支援してきた宮城県女川町の女川さいがいFMが、東日本大震災後に5年間続けた放送の最後にかけた曲だ。バトンを受け継ぐという意味を込めて選曲したという。

 さっそくリスナーから応援のメッセージや曲のリクエストも寄せられた。運営を担う「町野復興プロジェクト実行委員会」委員長の山下祐介さん(39)は「復興の一助になれば。みんなでつくりあげる、みんなのためのラジオにしたい」と話した。

 災害FMは災害発生時、自治体などが臨時で開設するラジオ局。1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに制度化され、これまでに55局開設されたが、能登ではスタッフ確保の難しさなどからできていなかった。

 「まちのラジオ」は今後、地元の小中学校の給食の時間にも流してもらえるよう、平日の正午から1時間半の生放送をする。それ以外の時間は再放送や音楽などを終日流す。電波が届くのは町野町の周辺だが、準備が整い次第、インターネットでも同時配信するという。

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