川べりがえぐれるように破壊された川=2024年10月3日午前11時20分、石川県輪島市、林敏行撮影

 能登北部を襲った9月21日の記録的な大雨から、5日で2週間となった。石川県や関係者への取材などによると、4日までに14~89歳の男女14人の死亡が確認された。輪島市で10人、珠洲市で3人、能登町で1人。いずれも元日の能登半島地震でも多くの犠牲者が出た地域だ。

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 行方不明者はゼロとなり、安否がいまだに分からないのは、輪島市町野町寺地の中山美紀さん(31)1人。仕事帰りに乗り捨てたとみられる車が能登町で見つかり、捜索が続いている。

 輪島市久手川町の中学3年、喜三(きそ)翼音(はのん)さん(14)は福井県坂井市沖で遺体が見つかり、3日に身元が確認された。大雨で基礎だけになった自宅近くには同級生らがたびたび訪れ、安否を気遣っていた。

 輪島市門前町皆月の中村菊枝さん(75)は9月28日、付近の海岸で亡くなっているのが見つかった。捜索を見守ってきた長男の研紀さん(53)は「手を合わせる場所ができたので、少しほっとしている」と話していた。

 県によると、大雨による1次避難所は輪島、珠洲両市と能登町で計32カ所あり、計492人が避難している。輪島市では35世帯63人がホテルや旅館などへの「2次避難」を希望していることを4日、県が明らかにした。

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