能登半島地震で甚大な被害が出た石川県能登町の金沢大学理工学域能登海洋水産センターが、復旧に向けて歩み始めた。養殖していたトラフグやニジマスなど多くの魚は死んでしまったが、主力品種でこの時期が旬のサクラマスは生き残った。復旧の象徴的な魚として、通常より半年ほど遅れた秋の出荷をめざしている。
11日、金沢市の同大付属病院で、同センター長の松原創教授が被災状況を説明した。
同センターは、普段は近くの海から海水をくみ上げたり、井戸からくみ上げた真水を使ったりして、敷地内の水槽で魚を養殖している。
ところが元日の地震による津波で、海水の取水管が50メートルほど流されて破損。真水の送水管も断裂して水槽に水を送れなくなった。また、複数箇所で大規模な陥没が起きるなどした結果、トラフグやニジマスなど3万匹近い魚が死んだ。
1万匹が奇跡的に生き残る
一方、病気を防ぐための薬剤…