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プレハブの仮本堂に安置されている阿弥陀(あみだ)如来像と松下文映住職=2025年6月18日、石川県珠洲市宝立町鵜飼、石川幸夫撮影

 昨年の元日に起きた能登半島地震から1年半。大きな被害を受けた石川県珠洲市を、車で走りながら動画で撮影した。発生直後から撮影してきた同僚のノウハウを引き継ぎ、同じ道をたどった。

【動画】能登半島地震から1年半となる石川県珠洲市の街並み。発災直後からどう変わったか=石川幸夫撮影

 金沢から珠洲まで約3時間。県道を右折し、海に向かう道に入る。宝立町鵜飼地区は、地震に加え津波の被害も受けた。

 グーグルマップで目印にしていた住宅はなく、道の両側に広がっているのは、解体が終わり、がれきが運び出されたあとの更地だった。

 被災地で進む公費解体――。4月に東京から金沢に異動し、最初に書いた記事だ。珠洲市内では6月までに約8200棟の申請があり、そのうち8割が完了したという。目の前の光景は、その数字が示すリアルな現場だ。

 よく見ると、更地にはブロック塀や建物の基礎など、その場にかつて住宅が立ち、人の営みがあったことを示す痕跡が残る。

 さびしさが募り、誰かに話を聞きたくなった。

 プレハブの建物内に人の気配…

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