訪米中の斎藤健経済産業相は11日午後（日本時間12日午前）、レモンド米商務長官とフィリピンのパスクアル貿易産業大臣と会合を開いた。日米比の商務産業担当大臣が会合を開くのは初めて。3カ国が連携して、脱炭素の分野などで先行する中国の市場支配を食い止めるねらいがある。
この日の会合では、半導体や重要鉱物などのサプライチェーン（供給網）を強化し、エネルギーの安全保障などの分野で連携を強化することを確認した。
象徴的なのが、電気自動車（EV）などに欠かせず、中国が高シェアを握る重要鉱物をめぐる争いだ。フィリピンは、EVバッテリーに欠かせないニッケルの産出量で、世界2位だ。首位のインドネシアの鉱石処理を中国企業に握られる一方、フィリピンでは、住友金属鉱山が筆頭株主の加工企業の存在感が大きい。
日米は、フィリピンでの現地加工を強力に支援する方向だ。同国の加工技術の向上や雇用創出に貢献し、同国産ニッケルの安定供給につなげる。
日本は2010年の尖閣諸島…
