報道記事でよく使われる「税金のことば」を分かりやすく解説する。
今回は①脱税②所得隠し③申告漏れ――について。悪質性が高く、ペナルティーが重い方から①②③となる。
日本では原則、納税者が自ら所得と税額を計算し、申告納税する。国税局(税務署)は、個人や会社が出す所得税や法人税の申告書をチェックし、必要があれば税務調査をしている。
①の「脱税」は、マルサとも呼ばれる「国税局査察部」が裁判所に令状請求し、強制調査(査察)をしたケースで使われる。査察対象となるのは、帳簿のごまかしや領収書の偽造など仮装や隠蔽(いんぺい)をしたり、申告していなかったりする事案のうち、金額が高いもの。
国税局が脱税容疑で地検に告発し、地検が起訴して有罪になると、追徴課税に加え刑罰としての罰金が科せられる。
②の「所得隠し」は、脱税容疑での告発には至らないものの、意図的な不正があったと国税局が判断した場合に使われる。追徴税額は、本来の税額に重加算税(増えた税額の35~50%)が加わる。
③の「申告漏れ」は、意図的とは言い切れないミスが申告時にあった場合に使われる。本来の税額に過少申告加算税(増えた税額の10~15%)が加わる。申告納税をしていない場合は、無申告加算税(15~30%)が加わる。