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1歳の誕生日をむかえた男児(画像の一部を加工しています)=家族提供

胎児の腎不全【後編】

 おなかの中の胎児に先天的な腎不全があるとわかった東京都の女性(50)は、2015年10月、男児を出産した。男児は生後1カ月で腹膜透析の手術を受け、幸い大きな合併症もなく、翌年3月に退院することになった。

  • 【前編】胎児に腎不全、生きられないかも…夫婦は赤ちゃんの生きる力にかけた

 腹膜透析では、おなかの中の「腹膜」にカテーテルを通し、透析液をためておく。透析液には時間をかけて、血中の毒素や老廃物がしみ出す。夜間に10時間ほど体外の装置とつないで液を交換する、人工透析の方法だ。

 女性や夫(54)は退院に備え、すでに造設していた人工肛門(こうもん)(ストーマ)の清掃や、透析液の交換手順などを一緒に学んだ。自宅で透析するための装置や、廃液をためるタンクなども自宅にそろえた。

 入院中は24時間、専門の医療者が男児をみてくれたが、退院すれば、全てを自分たちで対処しなければならない。退院後、両親は不安を強く感じるようになった。

 男児の鼻には、胃に直接ミルクを送る管が通されている。もし、これが外れてしまったら……。ストーマや腹膜透析に不具合や感染が起きてしまったら……。

 「丈夫に産んであげられなかった」と女性は自分を責めた。

 外出する気にならず、自宅にこもるように数カ月間を男児とともに過ごした。

 だが、次第にそんな自分に嫌…

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