藤原明夫さん(中央)が講習を始めると笑いが起き、受講生の動きも生き生きとしていく=千葉県柏市、高木忠智撮影

 藤原明夫さん(67)はサッカー指導者を養成するチューターの先駆者だ。全国のコーチをつなぐ、日本サッカー指導者協会(JFCA)で唯一のセミナーダイレクターを務める。

 千葉県で高校教員をしながら部活動を指導してきた。チューターの立場が加わったのは42歳だった2000年から。日本サッカー協会が指導者養成制度を整備する変革期だった。

 それから四半世紀の時が流れた。送り出した指導者は自身でも把握できない数になる。

 2019年に教員を退職。いまも全国の現役Jリーガー対象のC級講習会を担当し、千葉県のC級ライセンス講習会をまとめる。C級は5段階のうち最初に取得できる資格のひとつで、現場指導への窓口だ。

 加えて、JFCAが主催する月2回のオンライン講習会や勉強会を企画立案する。年間で関わる指導者の数は延べ1千人に達する計算だ。

 「ふじさん」の愛称を好んで使う講習は柔らかい雰囲気で進んでいく。

 サッカーは正解のないスポー…

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