世界各地の深海に生息する巻き貝による奇妙な行動の観察に、鳥羽水族館(三重県鳥羽市)が成功した。殻高が5センチに満たないクマサカガイの仲間は、自分の貝殻に、別の小さな貝殻や小石など様々な物を貼り付ける行動で知られるが、飼育環境下でもその行動を確認できたという。来館者の注目を集めそうだ。
同水族館が今年5月、三重県沖の熊野灘の水深300メートルの砂底で採集したウスクマサカガイの殻高は4センチほど。8月中旬、森滝丈也学芸員が、展示スペースの水槽で飼育するこの巻き貝に、普段より多めの貝殻がくっついていることに気がついた。
手にとってみると、見たことがなかった貝殻が一つくっついており、ぐらぐらした状態だった。そこで2日ほど放置した後、再び手に取ってみると、今度はしっかりと固着していた。
10種類ほどが確認されているクマサカガイの仲間は、いずれの種類も大きくて殻高が10センチほどの小型の巻き貝だ。北半球、南半球を問わず、水深150~300メートルの深海に生息する。
10時間以上も微動だにせず固着
クマサカガイの仲間は成長す…