今では各学校に当たり前のようにある校歌。でも、法令で制定が義務づけられているわけではなく、かつては固有の校歌を持たない学校が珍しくない時代もあったそうです。「校歌の誕生」の著者で小樽商科大学准教授の須田珠生さんに聞きました。
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学校の様々な制度に関して国は細かく定めていますが、各学校に当たり前のようにある校歌は、実は法令で制定が義務づけられたものではありません。学校の中に慣行のように存在しているものの一つです。
日本の学校に校歌が登場したのは1890年代頃です。当時は学校固有の校歌ばかりではなく、どこの学校でも歌える「校歌」という曲名の唱歌があったり、複数の学校がほぼ同じ歌詞の校歌を持っていたりもしました。しばらく独自の校歌がなかった学校の多くは、「開校○周年」の記念や新校舎落成などのタイミングで校歌を作りました。校訓や教育方針を歌詞に盛り込み、その学校のアイデンティティーのようなものを生み出しました。地域の高い山や清らかな川に、理想の児童・生徒像を重ねながら歌われたのでしょう。
1980年代ごろからは、親…