電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に使うモーター用の磁石をつくるのに欠かせない重要鉱物のレアアース。中でも、希少なうえに産出が中国に偏っている「重希土類」を用いずに強力な磁石をつくる技術の開発や設備投資を日本企業が進めている。重希土類の供給が滞って自動車生産が打撃を受けるリスクを軽くしようとの狙いがある。
HVやEVの動力となるモーターには、磁力が強い「ネオジム磁石」が使われる。高温になると磁力が落ちてしまうため、耐熱性を高める「ジスプロシウム」や「テルビウム」といった重希土類を添加することが多い。
しかし、重希土類の世界生産量の大半は中国が占めている。中国と米国が対立する中で、重希土類は、米国との「交渉カード」になっている。日本への供給も不安定になりがちで、今年5~6月にはスズキの一部車種の生産がとまる事態になった。
こうしたリスクを軽減するた…