水戸市の路上で28日、男女6人が刃物で切りつけられるなどして重軽傷を負った殺人未遂事件で、同容疑で現行犯逮捕された塩原弘和容疑者(48)=同市南町2丁目=が自宅マンション裏手の路上で現場に居合わせた2人を最初に襲ったとみられることが、茨城県警水戸署への取材でわかった。
事件が起きたのは28日午後6時10分ごろ。
署によると、刃渡り50センチほどのナイフ2本を両手に、20センチほどのさやに入ったナイフ2本を腰に着けた塩原容疑者はマンション裏手で2人に切りつけ、表側の国道50号沿いの歩道まで移動したとみられる。バス停付近にいた人や食品スーパー前の通行人ら4人を無差別に襲撃したという。容疑者が移動した距離は100メートルほどで、署は犯行が数分の間に及んだとみている。
サバイバルゲームで使うようなゴーグルが付いた口元を覆うマスクを装着し、手には軍手、長袖、長ズボン姿だった。
現場に残っている血痕や防犯カメラの映像などから判明した。これまでの調べに容疑を認め、「止めにきた人を切りつけた」と供述している。
署は30日、塩原容疑者を殺人未遂容疑で送検した。現在はマンションで一人暮らしで、職業不詳のまま。県警が10年ほど前、塩原容疑者本人から「誰かにつきまとわれている」「誹謗(ひぼう)中傷にさらされている」といった相談を受けたこともあるという。