五輪の時と同じように隣の声が聞き取れないほどの大歓声がパラアスリートに送られていた。
陸上競技が開催された8月31日土曜日午前のフランス競技場。約8万人収容の競技場は3階席まで入り、見渡す限り観客で埋まった。選手たちはそろって「すばらしい雰囲気で幸せだった」と話していた。平日でも2階席は埋まり、「閑散」とは無縁だった。
5月に神戸市であったパラ陸上の世界選手権で、陸上女子走り幅跳び(義足・機能障害T64)の中西麻耶選手(39)に取材した際のことを思い出した。東アジア初開催の大会は9日間で約8万人が訪れ、普段の日本選手権などの国内大会と比べると大盛況に見えた。中西選手に伝えると、こう返された。
「もっと入って欲しかったし…