自民党本部=東京都千代田区、諫山卓弥撮影

 今夏の参院選について、自民党本部は29日、大阪選挙区(改選数4)の候補者を「緊急公募」すると発表した。現職の太田房江氏が体調不良などを理由に不出馬を表明し、全国の選挙区で唯一自民候補が決まっていない異例の事態となっている。来月中旬にも候補者を決定するとしている。

  • 太田氏の不出馬で異例の事態へ逆戻り 自民大阪、参院選候補者不在

 党本部はこの日、選挙対策会合を開き、大阪選挙区の候補者を公募する方針を決定。会合後、報道陣の取材に応じた木原誠二選対委員長は、来月10日までに書類選考を進め、その後面談を実施していくとした上で「とにかく速やかに、いい候補、勝てる候補を決定していきたい」と話した。

 大阪での候補者選定をめぐっては、大阪府連内で太田氏の続投と交代を求める地方議員らの対立が続いてきた。

 自民は過去2回の衆院選で、候補者を立てた府内小選挙区で日本維新の会に全敗。府内選出の自民の国会議員は太田氏を含む3人にまで減少。刷新のために現職の太田氏とは別の候補を擁立することを求める声も根強かった。

 そんな中、党本部は今月13日に太田氏を公認する方針を決定。しかし、今月中旬に週刊誌が、太田氏が選挙応援の見返りとして地方議員らに資金提供を持ちかけたとする疑惑を報道。太田氏側は「事実無根」と否定していたが、26日になって「大きく体調を崩し、強度のストレスによるストレス障害との診断を受けた」「治療に専念する」などとし、突如、立候補の意向を取り下げていた。

 太田氏は全国初の女性知事として2000年に大阪府知事に初当選。2期務めた後、13年には参院議員に転じ、現在2期目。

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