首相官邸に入る石破茂首相=2025年8月29日午前9時29分、岩下毅撮影

 自民党は2日午前、参院選で大敗した要因を検証する「総括委員会」を開き、総括の最終案をまとめた。敗因として「国民に寄り添い、暮らしの安心を確実に届けることができなかった」と指摘。「解党的出直し」に取り組むことで「真の国民政党に生まれ変わる」としている。同日午後1時半開始予定の両院議員総会で公表する。

 総括委員会の会合は非公開で行われた。総括は、党総裁の石破茂首相の個人責任ではなく、党全体としての責任を強調する内容になる見通しだ。大敗の要因として、派閥の裏金問題のほか、物価高対策として掲げた「現金給付」の浸透不足、SNS対策の遅れなどを盛り込んだ。

 総括委員会のトップを担う森山裕幹事長は、総括の公表後に辞任する意向を示しているが、党執行部の要であるだけに石破茂首相(党総裁)が慰留するとの見方も根強い。総会では首相の退陣を求める声が噴出するのは避けられない見通しで、首相や森山氏の発言に注目が集まる。

 副大臣や政務官からは、辞職してでも総裁選の前倒しを求めるとの表明が相次いでおり、政権は重大な局面を迎えている。森山氏はこの日午前の記者会見で「首相を支える政務三役のみなさんも責務をしっかりと果たしていただけると信じている」と述べ、「石破おろし」の動きを牽制(けんせい)した。

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