自民党は本当に変わるのか。党総裁選の日程が9月12日告示、27日投開票に決まった。生活を直撃する物価高、「政治とカネ」に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題……。直面している課題は山積みだ。論戦に、そして新総裁に何を望むのかを当事者に聞いた。
豆腐店の倒産、過去最多か 「賃上げ進んで」
消費者は物価高に苦しみ、生産者もコストの増加に四苦八苦している。
「家族経営だから何とかやっていけているが」。東京都板橋区で豆腐店を営む男性(56)はため息をつく。1967年から続く老舗で、商品を地元の学校や保育園、スーパーに卸し、店先でも売っている。
輸入大豆の仕入れ価格はこの数年で1・5倍になった。一方で、豆腐の価格は2年前に1丁160円から170円へ10円値上げしただけ。「豆腐は安いもの、として通っている。高くすると売れなくなる」という懸念からだ。帝国データバンクによれば、豆腐業者の今年1~7月の倒産と廃業は36件で、年間で過去最多を上回る勢いだ。
男性は総裁選で、経済に関する議論を期待する。「豆腐の値上げを気にする必要がなくなるほど、賃上げが進んでほしい」。物価高はロシアによるウクライナ侵攻がきっかけで、外交政策にも注目しているという。(関口佳代子)
裏金問題「うみを出し切って」
裏金事件後で初の総裁選に、裏金の温床だった派閥の政治資金パーティーの券を購入してきた企業や団体は厳しい視線を向ける。
「事件について説明の義務を果たしていないと感じる。それが自民党のやり方かと思うと、怒りというか、あきらめのような感情がある」。西日本で製造業を営む中小企業の幹部は、あきれたように口にする。
6月の改正後もカネの不透明…