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「阿波の土柱」の一つ「波濤嶽」の前に立つ「土柱ボランティアガイドの会」の川人美夫さん=2025年7月23日午前10時0分、徳島県阿波市阿波町、吉田博行撮影

 徳島県阿波市の山中に、巨大な土の柱が連なる国の天然記念物「阿波の土柱」がある。自然が造り上げた絶壁は米国のブライスキャニオン、イタリアのチロル地方とともに「世界三大土柱」と称される。頂上なども散策でき、観光客が増えつつあるという。土柱ボランティアガイドの会の川人美夫会長(67)に魅力を尋ねた。

 ――土柱とは

 約100万年にも及ぶ長い年月をかけてできた自然の造形物です。北にそびえる阿讃(あさん)山脈から流れ出た土砂が、この地に堆積(たいせき)し、地震活動によって隆起しました。そして雨水によって削られ、独特の景観ができあがりました。市内に5カ所あり、最大の「波濤嶽(はとうがたけ)」は南北約90メートル、高低差約50メートルの断崖で、1934年5月1日に国の天然記念物に指定されました。

 ――会の活動は

 観光客に土柱の地学的な価値や歴史を知ってもらおうと、地域住民や市観光協会が連携し、2017年に結成しました。現在50~80代のボランティア約20人が、ガイドの希望者に成り立ちや見どころを紹介しています。お客さんの質問に的確に答えられるよう、研修会も開いて知識やガイドの技術を磨いています。

 ――なぜガイドに

 子どもの頃、土柱は身近な遊…

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