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企画展「地球を測る」の展示について解説する国立科学博物館の室谷智子さん=2025年4月7日午後、東京都台東区、力丸祥子撮影

 今年6月1日で、気象庁の観測業務開始から150周年になる。これを記念し、自然現象や防災に関心を高めてもらおうと、気象庁などが多彩なイベントを用意している。4月7日、会場が報道陣に公開された。

 気象庁(東京都港区)2階の気象科学館(入館無料)では、一部の展示がリニューアル。大型スクリーンを備えた「大雨災害サバイバル」のコーナーでは、大小の河川や傾斜地のある仮想の町で、河川の氾濫(はんらん)や土砂災害から身を守る方法を学べる。

 参加者はスマートフォンに見立てた手元の画面でハザードマップなどから情報を集め、安全な避難ルートを選ぶ。ほかにも気象予報士の試験問題に挑戦できるゲーム機なども新設された。

 母親と一緒に体験した埼玉県所沢市の中学1年の男子生徒は「普段、自分から防災について勉強することは少ないけど、ゲーム感覚でわかりやすかった」と話した。

 東京都台東区の国立科学博物館では、6月15日まで企画展「地球を測る」が開催中だ。

 気象庁や宇宙航空研究開発機構(JAXA)が所蔵する大気や海洋、宇宙で使われてきた観測機器など約100点を展示する。1883年に作成された現存する日本最古の天気図も実物を見ることができる。明治時代以降、多くの外国人を招いて観測に西洋の科学技術を取り入れてきた歴史や、スーパーコンピューターを使って線状降水帯の予測をする最新技術までを紹介している。

 博物館の研究員、室谷智子さんは「日々のニュースなどで身近な天気や地震、火山などの情報は、たくさんの観測データが蓄積されてきたからこそ予測ができ、防災や減災に役立てられていることを学んでもらいたい」と話した。

 入館料は一般・大学生630円、高校生以下および65歳以上は無料。月曜休館。

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