Smiley face
マンハッタンの公園で実施された食料支援を訪れたモーリタニア人のスマイルさん。米国に来て3カ月経つが、仕事やお金は無い。「自分の国に希望はない。あるのは奴隷制度と迫害だけだ。米国に来て、自分が人間だと感じた。差別や侮辱はない。それだけで十分だ」とまっすぐな目で語った=2024年2月28日、米ニューヨーク、藤原伸雄撮影
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 「彼らはいま、どうしているだろう」

 2月末、米大統領選候補者レースを取材するために米国に出張した私は、「スーパーチューズデー」の前に、ニューヨークに向かった。

 2年前、私は写真記者として、入国ビザなしでメキシコ国境を越えて米国にたどり着いた人々をテキサス州で取材した。「ここまで来れば、どうにかなるはずだ」。越境者の1人は、そう言って私のカメラに向かってほほえんだ。

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 当時、トランプ政権から民主党のバイデン政権に代わって越境者が急増していた。米税関・国境警備局によると、当局が拘束した移民の数は2023年度には過去最高水準の約250万人にも達した。

NYに「送りつけられた」越境者たち

 しびれを切らしたテキサス州のアボット知事(共和党)が22年、越境者の一部をバスに乗せてニューヨーク州に「送りつけた」。その数は23年末までに3万を超えたとされる。NY市のアダムス市長(民主党)は今年1月に越境者を運んだバス運送会社17社を提訴し、州と州のいさかいに発展している。

 気になっていたのは、こうしてNYに向かった人々が置かれた状態だった。

 マンハッタンを歩くと、越境…

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