広島に原爆を投下した爆撃機「エノラ・ゲイ」の離陸前とおぼしき模型の機首の先の壁には、展開図のように分解された原爆ドームの模型が貼られている。

蔦谷楽(つたやがく)「Secret Diorama」(2019年、手前)と「Parakeet Peace Hall」(17年、左奥)

 広島市現代美術館の「記憶と物」展で発表されている蔦谷楽(つたやがく)さん(1974年生まれ)の「Secret Diorama」(2019年)と「Parakeet Peace Hall」(17年)だ。

 蔦谷さんは06年以来、米国が拠点。16年に父親が福島の事業に関わることになって原発や核のことを調べ、日米での語られ方の違いに気づいたという。

 「米国では子どもが組み立てるプラモデルもある」というエノラ・ゲイの模型の裏には、真珠湾攻撃に向かう議論をする日本の要人たちの姿を作り、日米の行為を重ね合わせた。

 後者の作品は、被爆し、半ば…

共有
Exit mobile version