イスラエルの徘徊型無人航空機「ハロップ」。自律的に攻撃目標めがけて突入し、自爆する。ウクライナにも供与している=開発元のイスラエル・エアロ・インダストリーのHPから
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 防衛省は2日、人工知能(AI)の活用を防衛分野で進めるための基本方針を初めて策定し、発表した。「指揮統制」など七つの重点分野を設定し、複雑な作戦の意思決定への支援を例示。一方で「人間による関与」の必要性を記し、AI活用に歯止めをかけた。

 基本方針は、AI活用が戦闘のスピード・精度・効率の向上や人的ミスの削減、省人化・省力化に資するとし、「ゲームチェンジャー技術とも指摘される」と強調。重点分野として①目標の探知・識別②情報の収集・分析③指揮統制④後方支援⑤無人機などの「無人アセット」⑥サイバーセキュリティー⑦事務処理――を定めた。

 AI活用によるレーダーの航跡や衛星画像に基づく攻撃目標の識別、インターネット上の膨大な情報の分析や、指揮官の素早い意思決定を支援することなどを想定する。具体的な場面として、陸海空や宇宙、サイバー、電磁波などにまたがる「領域横断作戦」を例示。さまざまな装備品をネットワークでつなぎ、統合された指揮統制の下で作戦を遂行するため、AIは「行動方針案を提示するツール」になり得るとした。急速に技術開発が進む生成AIも導入に取り組む方針を記した。

 一方、AIは「データによる…

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