「(空母化される護衛艦)『いずも』と『かが』は、航空自衛隊が運用するF35B戦闘機を載せて運用する機能が強まる。今後は使い方が変化するかもしれない」
昨年11月6日、米サンディエゴ沖。護衛艦かがの甲板で開かれた記者会見で、海上自衛隊の伍賀祥裕・護衛艦隊司令官はそう語った。
2015年3月に就役したいずも、17年3月に就役したかがは、海自最大の護衛艦だ。ヘリコプター5機が同時に発着艦できるうえ、医療設備も充実し、他艦への給油能力まである。
首相官邸の危機管理センターとほぼ同じ規模のスペースが確保され、大規模な災害時には政府の対策本部を置くことも想定されるなど、「多機能な護衛艦」と位置づけられてきた。
海自では、3機以上のヘリを搭載し、飛行甲板があり、ヘリの運用に特化している艦艇を「ヘリコプター搭載型護衛艦」(DDH)と分類している。いずも型護衛艦(いずも、かが)の2隻のほか、「ひゅうが」型2隻の計4隻のDDHが運用されている。
護衛艦隊には主力となる四つの護衛隊群があり、各群は護衛艦8隻と搭載ヘリ8機で編成される。冷戦期に確立されたこの編成は、もともと日本周辺の海空域で旧ソ連の潜水艦や爆撃機に対抗するために必要な艦艇とヘリの数を計算して導き出された数だ。
また、各群に1隻ずつDDHが割り振られ、DDHとその艦載ヘリが「海自の任務の核心」とされる対潜水艦戦(ASW)を担ってきた。
こうした護衛艦隊の伝統的な…