山形県立致道館中学・高校(鶴岡市)で10日、開校式と入学式があった。同校は、県立の鶴岡南高、鶴岡北高を統合し、新設の中学を併設して誕生した庄内地域初の中高一貫校。県立の中高一貫校としては、東桜学館中学・高校に次いで2校目となる。
入学式は、中学1年生99人、高校1年生261人の計360人を迎えて行われた。
遠田達浩校長は式辞で「皆さんの一歩一歩が致道館の歴史となる。誇りを胸に、たゆまぬ努力に裏打ちされた揺るぎない自信を身につけてください」などと述べた。中学の新入生を代表して、池田悠真さん(12)が「自分と社会をつないで、今と未来をつないで、致道館中学校と世界をつないで、99名の仲間と一緒に新たな一ページを作り上げていきます」と誓った。
同校によると、中学1年生は全員が庄内地域の5市町から通学している。
入学式に先立って行われた開校式には、高校2年生、3年生計約600人が参加。鶴岡南高の卒業生で1999年に「王妃の離婚」で直木賞を受賞した作家、佐藤賢一さんが作詞した校歌も発表され、音楽部の生徒らが高らかに歌い上げた。
致道館中高の教育理念は「自主自立」「新しい価値の創造」「社会的使命の遂行」。中学は旧鶴岡北高、高校は旧鶴岡南高の校舎で学ぶ。
校名の由来となった致道館(同市)は庄内藩が1805年に創設した藩校で、「天性重視 個性伸長」などの教育理念を掲げた。1951年に国史跡に指定され、一般公開されている。(清水康志)
校歌の歌詞(抜粋)
古城を仰ぐ 水壕(すいごう)の傍(はた)
舞いふる桜花 集う若人
なお卓乎(たっこ)として 自(おの)ずから立ち
学びをもって 道を致す
ああ 致道館 我が学舎