2月から東京、名古屋、大阪で上演されてきたスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」が10月、博多座(福岡市)で集大成を迎える。各地で主役やヒロインを務めた4人の若き歌舞伎俳優が初めて集結し、主人公とヒロインをそれぞれダブルキャストで務める。
この舞台は、昨年9月に死去した市川猿翁(三代目猿之助)さんが生んだスーパー歌舞伎の第1作。古事記を題材に哲学者の梅原猛さん(故人)が原作を書き下ろし、博多座では2013年以来の上演となる。
主人公のヤマトタケルは父である帝の怒りを買い、熊襲(くまそ)や蝦夷(えぞ)の討伐を命じられる。その過程で愛する妻を失い、自らも深手を負う――。正義への疑問や葛藤、父への未練や望郷の念が繊細に描かれる。
主人公は、猿翁さんの孫の市川團子(だんこ)さん(20)と、中村隼人さん(30)が公演ごとに交代で演じる。
團子さんは「祖父の人生と言…