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 労働力不足が大きな社会問題となる中で、乗り物に使う自動運転技術への期待が高まっている。海の世界でも、小型船からフェリー、タンカーまで、自動運航による将来的な無人化を目指した技術開発や実証が加速している。

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3月末まで自動での試験運航を続ける「ゆき姫」=2月21日、広島県竹原市、鈴木智之撮影

 2月下旬、午後10時前。広島県竹原市の真っ暗な桟橋に、船首のカメラが目立つ小型船が停泊していた。ベンチャー企業「エイトノット」(本社・堺市)の自動航行システムを搭載した「スマート海上バス ゆき姫」(19トン)だ。

 週末の深夜などに試験運航している。自動航行船による定期航路としては国内初という。記者が乗ったのは午後10時10分に出航し、広島県大崎上島町の2島3港を経由し、約2時間で竹原港に戻る便だ。

 乗客は私の他に、「自動運転の船を体験してみたい」と来た2人。興味津々の3人に船長の横山恭治さん(70)が操舵(そうだ)室を見せてくれた。

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カーナビのような操作で行き先を指定できる装置=2025年2月21日、広島県大崎上島町、鈴木智之撮影

 タブレットのような端末を操作し、行き先の港を選択。出航し、数十メートル沖合に進むと、実証に備えて後付けされたというボタンを押した。「これで次の港まで自動で進みます」

 エイトノットによると、自動…

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