破産手続きが進む船井電機の初めての債権者集会が2日、東京地裁中目黒庁舎で開かれた。売上高のほとんどを占めていたテレビなどのAV事業は中国の家電大手スカイワースとの交渉がうまくいかず、米国事業などを除いて売却のめどが立っていないことが報告された。800億円を超える債務の弁済は大部分の見通しが立たない状況だ。
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関係者によると、集会には約60人の債権者が参加し、破産管財人の片山英二弁護士が事業売却などの状況を説明した。プリンターのインクカートリッジ事業と船井の商標を米国企業に売却した一方、テレビなどのAV事業は従業員の流出などで交渉が不調におわり、スカイワースへの売却が決まったのは主にウォルマート向けの米国事業や修理サービス事業にとどまったという。
この結果、現状での債務が約819億円あるのに対し、資産は14億円程度。出席した複数の債権者によると、「いつ、どの程度の弁済が受けられるのか」という質問に対して片山氏は「まだ分からない」と答えた。上田智一前社長に損害賠償を請求する可能性についての質問も出たが、片山氏は「事実関係を調査中。法的な責任が問えるのかを見極め、裁判所と相談して決めたい」と述べたという。
1億円程度の債権があるという出席者の男性は「弁済の具体的な話はそもそも期待していなかった。決まるまでには長い時間がかかると思う」と語った。
第2回の債権者集会は12月に開かれる。
会長の原田元環境相、出席できず
2日に東京地裁中目黒庁舎で開かれた船井電機の債権者集会には、代表取締役会長を務める原田義昭元環境相も姿を見せたが、裁判所に断られて出席できなかった。
原田氏や随行の弁護士による…