マリワシステムで海にいる船の状況を確認するカゴオの籠尾寿仁社長(右)=2024年8月2日午後2時57分、高知県奈半利町乙、羽賀和紀撮影

 地方の小さな船舶修繕会社が、洋上にいる船の航行データを陸上からリアルタイムで確認できるシステムを作った。

 すべてのモノがインターネットにつながる「IoT時代」を体現する技術で、船の異常をいち早く発見できると期待されている。

 「船の医者として新しいツールが必要だった」

 太平洋に面した高知県奈半利(なはり)町に本社を構える「カゴオ」。3代目社長の籠尾寿仁(かごおとしひと)さん(44)が開発の経緯を振り返った。

 この業界に身を置いて約20年。船主から聞くのは船員不足の話ばかり。国土交通省によると国内で稼働する漁船の日本人船員は10年で約3割減った。

 県内で遠洋マグロ船を運航する社長からは「熟練の機関士が見つからず2カ月出航が遅れることがある」との相談も受けた。

船の安全、遠隔でサポート

 揺れや振動、海水の塩分によ…

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