20年前に公開され、国内外に影響を与え続けている映画が、いま再び全国各地で上映されている。4人の女子高校生がバンドを組み、文化祭でザ・ブルーハーツの楽曲を演奏する青春劇「リンダ リンダ リンダ」。20周年に合わせて、この普遍的な青春映画を後世に残そうと4Kに修復した。北米や韓国などでの公開も控えているという。
同作は、国内外のミュージシャンや映像関係者が影響を受けたと明かしている。米国では、映画を見た少女らが4人組バンド「ザ・リンダ・リンダズ」を結成し、若者を中心に国際的に支持されるまでに成長した。
「DIVA」(歌姫)として20~30代の音楽ファンを中心に支持され、映画のイベントや執筆にも多く携わる「ゆっきゅん」も魅了された一人だ。小学生のとき見て、映画館に通うようになったと明かす。ゆっきゅんに、今作の特異な魅力について語ってもらった。
――「リンダ リンダ リンダ」を見た経緯を教えてください。
岡山市に住んでいた小学4年生のとき、母親にねだって、地元のミニシアター「シネマ・クレール」に見に行きました。インターネットなのか、雑誌なのか、どうやってこの映画のことを知ったのか覚えていません。多分、私の心の中にある「かけがえないものセンサー」のようなものが働いたのだと思います。
当時はもちろん青春も文化祭もバンドも経験していません。それでも夢中になって見ました。ボーカルのソン(ペ・ドゥナ)のモノマネを、よく母親の前でしていました。ソンがバンドに誘われて「嫌じゃないよ」と言う場面です。
ゆるーく駆け抜ける「謎メン」
――どうして、夢中になったのでしょうか。
前年に大きな映画館で、ロリータとヤンキーの少女の友情を描く「下妻物語」も楽しく見ていましたし、なぜかは分からないけれど、女性同士の友情物語が今に至るまでずっと好きなんです。でも、それだけが理由じゃない。
4人の女子高校生は、ステー…